国内バス事情(続き)
(続き)バスが今後、より低公害へとシフトしていくのは間違いない。特に路線バスやコミュニティバスは社宅地を走ることが多いため、電気バス化のニーズが高い。しかしマーケットのパイは決して大きくない。仮にポンチョの年間販売台数200台の1割が電気バスになったとしても20台では開発費も回収できない。日野の電気バス開発の今後は不透明だが、三菱ふそうは三菱重工業と、いすゞは慶應大学の清水浩教授が立ち上げた電気自動車開発のベンチャー企業SIMドライブと電気バスの開発を続け、何とか技術的なメドをつけたい構えだ。
国内のバス市場は排ガス規制対応のたびに揺れ動く。05年排ガス規制では日野といすゞが生産を統合した。09年排ガス規制では三菱ふそうとUDトラックスが事業の統合を模索している。
車両生産の面でも、国内唯一販売されていた、三菱ふそうの2階建てバス「エアロキング」は05年の規制に対応できずに生産中止となった。しかし高速バス事業者からどうしても国産の2階建てバスが欲しいとの要望により、三菱ふそうは08年に規制対応して販売を再開したが09年の排ガス規制で再び生産中止に。もっとも売れたのは25年間でわずか300台。販売価格もせいぜい普通の高速バスの2倍程度では開発費を賄えないため、今度こそ2階建てバスの歴史に幕を閉じる予定だ。
ここ10年の間に起こった技術変化はノンステップバスやパスモなどの非接触ICカードの導入、排ガス規制といった環境対応にとどまる。「国内の大中型バスなどの規格は日本固有で、われわれのバスは国内にしか提供できない。観光・路線ともにマーケットは小さくなっている」(谷山・三菱ふそう副社長)と、縮小均衡する市場の中でメーカーの苦悩がうき彫りになっている。
週刊東洋経済2010.7.17 特集/大異変!バス&タクシー&客船 大手4社のバス開発最前線〜より記事の後半部分を紹介しました